おおたけ手すき和紙保存会では、和紙づくりに欠かせない「ネリ」をつくるため、トロロアオイを自家栽培しています。保存会会員やサポーターの皆さんの畑では、トロロアオイが次々に開花する季節を迎えています。「花おくら」とも呼ばれ、食用できるトロロアオイですが、和紙の原料として育てる際は、つぼみの段階で摘み取ったほうが根に栄養分がよくいきます。「ネリ」は、トロロアオイの根を叩いて、水につけておくとできる粘液だからです。紙すきの際、「ネリ」を混ぜると、コウゾの繊維は絡み合うことなく水中で分散し、ムラのない美しい紙をすくことができます。また、乾燥する時に、一枚ずつ簡単にはがれるようにする働きもあります。

トロロアオイの根は、すごいチカラを持っているのです。